2014年6月8日日曜日

【2014/6/5】 いろいろ完成


 
8月の本番に向けた稽古、台本がついに完成し、チラシも出来上がりチケットもまもなく発売で、もちろん出演者も全員揃った稽古場では俳優たちの大きな声が飛び交っているのかと思えば、出演者は眉間にしわを寄せて下を向きながらボソボソと切れ切れの声を出していました。


それというのも講師のあごうさとしさんから出演者にむけられた様々な問いかけの中で 「希望とはいかなるものか」 という哲学者たちもこぞって違うことを言うような質問がなされてしまったために、あーでもないこーでもないと話す声は自信のない尻切れの声になっていきます。


結局、最後の30分はその話をして終わってしまい、答えの出ないままでその日は終わってしまったのですが、とある映画監督が芝居の演出をした時に言っていた 「演劇すごいです、全然完成しない」 という言葉を思い出したりもしました。


それでも、その結論の出ない問いかけや、完成しないことを映画監督に驚かせるほどの演劇のために、つまりわざわざ頭を抱えて悩んだり困ったり大きな声を出してぐったりするために出演者たちは稽古場に集まっていることが一番の驚きだったりするのですが、どうしてそんな大変なことをしているのかといえば、多分、演劇がしたい、というあっけらかんとした理由なのではないでしょうか。


演劇がしたいという一心で希望とは何かという難題にさえ立ち向かえる、考えるほどに訳がわからなくなっていく様々な問題にも、何が正しいか誰も分からないまま無償の饒舌が過ぎていくだけの話合いも、演劇のために立ち向かえる、ということは、あれ? みんな悩んでるけど、それって何より、希望というやつでは? と思ったのですが、出演者たちはそんな簡単で安易な答えより、すぐには解りあえない場所で四苦八苦して貰えたらと思います。


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