2014年8月23日土曜日

【2014/08/04】最後のコント

というタイトルの公演に向けて、このクラスの稽古はいよいよ佳境に差し掛かっています。公演名は「《最後の》コント」ですが、劇研アクターズラボ+あごうさとしはまだ一年目、つまり「背泳ぎの亀」としての《最初の》公演となります。

コント、と言うのはもともとフランス語で、短い話、と言うくらいの意味でしかない言葉であったのですが、日本ではそれがいつの間にやら滑稽な小芝居、的な意味で浸透しているものの、上演時間は約90分のお芝居ですので、これ自体がコントである、とは言いにくいかもしれませんが、どちらにしても、というか、そもそも、最初の公演から、最後についての演劇を作っているわけですから、どちらかと言えば後ろ向きな雰囲気を漂わせつつあるように感じてしまいがち、ですが、内容的には、日本的な意味での、コント的要素たっぷりの公演になっています。

コントと言いつつ90分、しかもほとんどの出演者が舞台上に出ずっぱりで、なかには今回の公演が人前に出る初めての経験という出演者もいる中で、最後にまつわる最初の公演がもうすぐ始まります。

2014年8月11日月曜日

“背泳ぎの亀” 第1回公演 《最後のコント》公演終了


アトリエ劇研にて8/8~10 までの3日、全4ステージの公演が無事、終了致しました。

二日目の夜から雨が強まり、千秋楽の日は開演直前まで強い風と雨が吹きすさんで、直前に開演時間の変更を余儀なくされてしまいましたが、そんな中、沢山の皆様にご来場いただきました。台風が通過し天候の優れない中、ご来場いただいた皆様、誠にありがとうございました。

タイトルは 《最後のコント》 でしたが、背泳ぎの亀としては最初の公演となりました。これから半年の休憩を挟み、来年の3月からまた公演の為の稽古が始まる予定です。その時もまた、多くの方にご来場いただけたらと思います。

出演者の皆さん、演出のあごうさん、お疲れさまでした。
改めまして、悪天候の中ご来場いただいた皆様に感謝申し上げます。
それではまた来年、劇場で皆様をお待ちしています。



2014年8月7日木曜日

【2014/08/06】通し稽古

アトリエ劇研を使って、最後の通し稽古をしました。以前に稽古を見た時より、断然良くなっていて、正直ちょっと驚きました。まだ細かい修正(問題)はあるものの、お客様の鑑賞に堪える作品になったと思います。スタッフも最後の調整に余念がありません(写真)明日は仕込み、明後日いよいよ初日です!!
ご来場お待ちしています!

2014年8月6日水曜日

【2014/08/02】あとは本番


例えば分かりやすい問題があったとして、というか、やっぱり問題はあったし、それについては時間をかけて解決していかなければいけないことだから、簡単にこんな問題があってこんな解決がありました、と言うわけにはいかないものの、それでもいつかは、来るべき日がやってきてしまうのだから、それについて話し合わなければいけない、

という芝居を稽古場では今日も繰り広げていて、ではその日の稽古の問題とは何だったのかというと、出演者たちはそれぞれに集中していたし、稽古自体はスムーズに進んで、しいて問題があったとすれば、そこがいつもの稽古場ではなかった為、出演者のひとりが道に迷ってしまったということでした。

もちろん、そんな些細な問題ばかりではないけれど、それでも本番は直ぐにやってきてしまうし、それに向けた集中力も格段に上がってきた稽古場は、俳優になるためのラボではなく、公演前の劇団の空気に変わっているのだと思います。

つい一年前までは演劇をやったことのなかった人もこの稽古場にはいるのですが、演劇の大変さや、試演会での経験などを蓄えた出演者たちは、ひとりの俳優として今週末にアトリエ劇研で公演を行います。皆さんのご来場をお待ちしています。





2014年8月3日日曜日

【2014/7/28】着々と完成

この写真は「最後のコント」の当日パンフレットの写真で、この中を開くと出演者の名前だとか、演出のあごうさとしさんからの挨拶文などが書かれています。

例えば、このパンフレットを作るにしても,デザインした人、このロゴマークを作った人、最後のコントのあらすじを書いた人、出演日程を決め劇場を予約した人はそれぞれ皆が別の人です。


たった一枚のパンフレットの表紙だけでも、実は何人もの手が加えられています。さらにこのパンフレットを印刷に行ったり、校正をしたりすると、また更に数人の助けが必要になるのです。

そして、本来であればそういった裏方の仕事を俳優がやる事というのは少ないのですが、アクターズラボでは、そういった仕事もこなしながら、なおかつ舞台に立たなければ行けません。そしてそれは、やっぱり大変な事です。

しかし、例えばこの「背泳ぎの亀」という団体名も、写真にある六角形の彼らのロゴマークも、出演者達によって提案されたもので、稽古場で生まれたものは確実に形になって刻まれています。

本番は白い紙でなくブラックボックスの中でのお芝居ですが、稽古場で生まれたものである以上、それも形になってきっと現れてくれるだろうと期待しています。

日曜日のチケットが残り少なくなってきています。劇場でお待ちしています。


2014年7月31日木曜日

【2014/07/31】話し合い。

公演を間近に控えて、稽古時間のほとんどを話し合いに費やしました。
「公演が近づいているのに、皆の気持ちがバラバラ」と感じた一人のメンバーの呼びかけによる話し合いでした。メンバーとはラボメンバーのみならず、主催者(劇研)やスタッフも含めたメンバーです。参加したそれぞれが、自分の意見を言い合い、今から私たちが何をすべきか、どういう気持ちで取り組んでいくのか、が確認されました。
もちろん不満もあるだろうし、疲れも、焦りも含めた、色々な思いもあることと思います。それも含めて、忌憚ない意見交換ができたことはとても良かったと思います。
貴重な本番直前の稽古をつぶして行う、価値のある話し合いだったと思います。
そしてこれが、公演にとってプラスに働くことを心から願っています。

2014年7月28日月曜日

【2014/7/26】身体と声のバランス


例えば最近ではマルチタスクという元々はコンピューターにしか使うことのなかった言葉を比喩的に人の行動というか行為の仕方についても使うことが多くなっていて、つまり効率よく色んなことをこなせるとか、結局どっちも中途半端になってしまうものだからむしろ仕事には向かないとか、器用な人はいくつも平行してあれやこれやとこなせるのでしょうが、とにかく、複数の事を同時にまかなう、というような状態のことを指すのだろうと何となく理解できます。


稽古場で当たり前のように発せられる、もっさい、という言葉を出演者たちが理解や了解ができるのは、そのマルチタスク、という言葉がパソコンが当たり前になったからこそ、ここ数年で浸透した言葉として一般化されたように、作、演出のあごうさとしさんと出演者たちが一年を通じて共に過ごした時間があったことの象徴的するさり気ない一言だと思います。


今日の稽古では3行程度の短いセリフに苦闘していたとある出演者は、そのセリフの間にどんな身振りをするか、具体的にはどんな風に笑える間抜けな動きが出来るか、ということを実践しながら、なおかつ、しっかりとセリフも届ける、つまり声を出しながら身体も動かす、というマルチタスク、といっても日常はそんな事を繰り返しているのですが、意識して身体と声を同時に動かそうとすると、どうしてもギクシャクするもので、その3行の稽古のために多くの時間が費やされました。


ある意味で重箱の隅を突くような細かい指示が費やされるのは全体の骨組みがしっかりとしている証拠かと思います。小さな事をコツコツと、ばかりやっていると大抵はドカンと大きな事をしないと不安になったりするものですが、間もなく本番だからこそ、小さく小さくまとまった身体と声を届けられたらと思います。

2014年7月25日金曜日

【2014/7/24】もっさりとした時間


この 「背泳ぎの亀」 の稽古場では時々、というか最近は割と沢山の頻度で 「もさい」「もっさい」「もっちゃり」といった言葉を聞きます。具体的な使われ方としては
「そこのやり取りがもさい」 「もっさく聞こえる」 というような感じで、このクラスの講師であり次の公演の作・演出であるあごうさとしさんの口からこの言葉は主に聞かれます。


そしてそれは見ながら、ああ、確かにもっさい、うむ、もさいな、とうなずく時も多いのが不思議なのですが、何となく、この 「もさい」 という言葉は大詰めに差し掛かったこの稽古場の中では一つの重要な言葉になってきているようです。


何がもさくて何がもさくないのか、というそんな曖昧な、ある程度抽象的で比喩的なそのもっさい、という言葉を、それでも、出演者たちは少しずつ体感しているようで、例えばそれは、今回の通し稽古のあとに 「あのもっさい時間が減りつつある」 とあごうさんが口にしていて、感覚的にもそれは感じられることでもあるのだけれど、それだけではなくて、例えば前回の通し稽古に比べて今回のランタイム(通し全体の時間)が6分も短くなって、余分な時間が減ることによって時間が短くなったのでしょうが、それだけではなく、具体的に少しずつ、色々なことが引き締まってきているようです。


その 「もっさりとした時間」 という言葉がお互いに通じ合えるくらいには長く稽古を続けてきた出演者たちのラストスパートが始まったような気がします。是非とも、もっさりとしない時間を過ごせるようにしていただけたらと思います。

2014年7月24日木曜日

【2014/7/21】何を考えて稽古するのか



という言葉が今回の公演の作・演出である、あごうさとしさんから出演者へ向かって発せられました。


勿論それは難しいことを常に考えながら演技をすることではなくて、逆に、ただキャラクターの気持ちとかそんな簡単な事でもなく、それは純粋に、あごうさんの考えた演出に関わる言葉に対して、出演者はどんなふうにリアクションを取っていて、それをどんなふうに舞台上に表わそうとしているのか、という、至極まっとうなことでもあると思います。そして、あごうさんがそうやって厳しい声を出している理由は、そんな風に何かを表そうとする態度が稽古場でさえ見えないのであれば、観客席から眺めている眼も、その真摯な態度を見つけることが出来ません。


ここは学校みたいなものだけど、稽古場でもあるんだから、というあごうさんの言葉の中にも含意は多く読むことができて、結局、アクターズラボは俳優になるための準備施設だとしても、アトリエ劇研でチケットを買ってもらい、お客さんの前で公演をするために準備が進んでいる以上は、お客さんは学芸会を見に来るのではなく、演劇公演のためにそこに訪れます。


稽古場で培ったはずのものが学芸会ではなく演劇の公演として、ひとつの上演として観客の皆さんに納得してもらうためにいったいどうすれば良いのか、そんなことも含めて考えながら残りの稽古を詰めていただけたらと思います。


2014年7月21日月曜日

【2014/7/19】大詰めの少し手前



まだ、大詰め、と呼ぶには少し早いその稽古場では、本番を前にした俳優たちの緊張感と言うよりは、自分を見つめ続けている、自分の中で完結してしまっている言葉や身体がそこにあるように思います。


ほとんど、大体、おおかた、ざっくりと、台詞も掴んできているし、立ち振る舞いや声の出し方や段取りも身に入ってきているからこそ、同時に自分のやりやすい、自分の癖や習慣が抜けなくて、それを個性だからと言って残しておくことも出来るけれど俳優修業である以上、自分がこうである、という事よりもまず、俳優とはどんなふうにいるべきか、という事が最初に無ければならないでしょうし、この 「最後のコント」 という公演については、なにか特別な技やアクロバットが目白押し、と言うよりは、まるで私たちのような人間を演じなければならない、のであれば、その私たちのような人間とはなにか、についても考えなければなりません。


そして、その私たちとは、出演者だけではなく、観客席も含めた 「私たち」 である以上、自分についてだけを見つめるのではなく、自分が見られているという意識や、自分は人の前に出ていく、と言う意識が必要なのかもしれないと言う感想が生まれたのは、演出のあごうさとしさんの口からは、最近たびたび 「台詞が芯を捉えていない」 という言葉が聞かれるからで、その芯を捉える台詞とは何かを考えると、少なくとも、自分だけを見つめて出された声ではなくて、誰かに向けられた切実な声を期待しているのかもしれないと考えたからでした。


もうすぐ1年の締めくくりである 「最後のコント」 がアトリエ劇研にて上演されます。客席は50~60席まで作れるため、そこが満員になればそれだけの視線がたった9人に注がれます。ぜひ、その視線の期待を超えるため、ここから数週間、最後の大詰めの時間を過ごして頂けたらと思います。

2014年7月18日金曜日

【2014/7/17】あいだ


今日の稽古は中盤~後半にかけての3ページくらいのシーンを念入りに繰り返すような稽古でした。


その中で印象的だったのは、とある出演者の一人が、たった一言のセリフを繰り返しやり直しながら、やがて何が正しいのかわからなくなっていくように、ぶつぶつと一言を繰り返しつぶやいていたことです。


もちろん演出のあごうさとしさんから指導が加わり、そこからどうしたら良いのかを考えながら台詞を声にしているのですが、どこかしっくりこない顔で、なんども台詞を繰り返しています。


不思議なのが、その正解が一体どこにあるのかということで、例えばあごうさとしさんの中にある答えを完璧にこなせるのだとしても、それではその演技をするのがその俳優である必要が何なのか分かりませんし、かといって自分にとってはこれがサイコー!というように人の意見を聞かずにやるのであれば、共同作業としての演劇である必要もありません。そういった意味で、その一言の正解は、演出の眼と舞台上に立っている役者との間で見つけられるのを待っているのではないかと思います。


あいだ、という漢字はつまり間で、それは別の読み方では、マ、と言ったりしますし、よくあるダメ出しで、間が悪い、とか言ったりしますが、それはきっと、観客席と舞台上とのあいだに必要な言葉や出来事をつかみ損ねている時に使われる言葉なのでしょう。残りの稽古の中で、その悩ましいひとことを含めた、マ、あるいは、あいだ、の距離やタイミングが見つかってくれればと思います。

【2014/7/14】通し稽古2



本番公演の差し迫った 「背泳ぎの亀」 。毎週月曜日は本番と同じように、最初っから最後までこの 「最後のコント」 を通して稽古をしています。


そして本日は舞台監督の北方さん、照明の長井さんが稽古に参加してくれました。普段はこのクラスの講師であり作・演出のあごうさとしさんが座っている長机の横に、もう一つ机が置かれ、いつもより人数の多いその稽古場はどことなく緊張感の増したものになっていました。


1時間を超えるその公演ですから、どうしたってそれぞれに苦手な所だったりがあるようで、見ながらハラハラとしてしまうシーンもあったりするのですが、全体を通してみることで、改めて足りないものや課題などが見えてくることもあるのかもしれません。


シーン、という言葉には、情景とか風景といった意味の他にも、現場、ですとか、現れ、とかいう意味が広義にはあるようです。まだまだ発展途上であるからこその稽古場で、どんな出来事が現れるのか、実は公演まで一ヶ月を切っている事に驚きながら、その一か月後の本番で、どんな演劇が現れるのか。出演者ともども、アトリエ劇研にてお待ちしています。

2014年7月13日日曜日

【2014/7/12】足元

8月の公演間近の稽古ですが、本日は1時間を超える本編の、最初の20分くらいのシーンをひたすらに何度も繰り返していました。


稽古が進むにつれて、出来ていると思い込んでいたところが出来なくなっていたり、1回はちゃんと覚えたのに、数日あるいは数週間、そのセリフを言わなかったせいでそのことを忘れてしまうという事は多々あることですし、そりゃあ1時間を越えるやり取りを全く完璧にいつまでも覚えていられるという人は、実は有名な俳優さんなんかのいくつかのエピソードを聞く限り、一度やった振付や段取りをずっと覚えていられる京都の俳優さんなど、いないことはないらしいのですが、普通に考えたら、そんなケースは特殊なことで、大抵は忘れてしまうものです。


上の写真は出演者の女性の足ですがもはや性別も何もあったものではない、真っ白な足、となっています。
靴は市販の白いただの靴、それに布を縫いつけるなどのあれこれ工夫の工作で完成させた小道具なのですが、と、文章にして説明してみたらほんの数行で、写真で見れば一瞬で目に入るそれを作るのに、1時間もかかってる、というのです。大体、前回の通し稽古が1時間半くらいで、これからもっとコンパクトになっていくとしても、この本編と同じくらいの長さが、小道具の靴1足にかけられているという事です。ドラム缶を探す、というのも随分と珍しい経験ですが、白いクツを1時間も見る、というのも、なかなかレアな経験かと思います。


モノによっては3時間を超える演劇もあればそのくらいの長さの映画もあるし、1000ページを超える小説や論文など、そういったものに比べてしまえば1時間くらいの演劇公演というのは決して長いものではないけれど、例えば出演者の足元にはそれぞれに1時間の手間と労力が懸けられていて、公演時間は1時間だとしても、それぞれの足元に手間をかけられた時間のように、舞台上の時間はそれまでに費やされた時間が何層も重なって出来上がる時間です。


その費やされた時間によって、舞台上がどんな奥行きのある時間になるかは、やはり 「白い靴に工作する」 というレアな時間も含めた、そして稽古も含めた、公演までの日々の過ごし方かと思いますが、とりあえず、この靴も1足しか出来ていないようですし、まずは足元から、少しずつ作り上げていけたらと思います。

2014年7月11日金曜日

【2014/07/10】身体からのアプローチ

セリフもだんだん入って、立ち稽古にも熱が入ってきています。
 当初の基礎的なワークショップの時からそうですが、あごうさんからの役者への指摘は、「(自分の身体感覚を使って)役者自身の中で根拠をもつように」というものです。専門的で難しいかもしれませんが、役者さんは舞台の上で、演出された動きや演技を再現させなければなりません。演技をする上で、まず自分の中でどうしてその演技なのかをよく考えて、しっくりいくように調整することが大事だということだと思います。その「しっくりいった」感覚は、感情等の内面的なことではなく、身体の感覚からアプローチして欲しいということなのです。「セリフが言いづらいとき、なぜ言いづらいのか考えてやって」とも。ついついセリフを暗記しているので、勢いで(相手とのセリフのかけあいの流れで)漫然とセリフを口にしてしまいがちですが、その言葉が出しづらかったら、無意識に口にださないで、立ち止まって意識してみてということだと思います。
 こうしたことの繰り返しで、活きた演技(いきいきした関係性)が生まれてくるのだと思います。公演まであと一月あまり。メンバーの皆さんにとっては、焦りがでてくる頃ですが、基本的なことを大切に頑張って下さい!!

2014年7月10日木曜日

【2014/7/7】通し稽古

通し稽古とは、つまり全編通す事です。わかりやすいネーミングだと思います。


「言葉の溢れる場所」というタイトルのついたシンポジウムに参加していたとある小説家同士がふたり揃って「そんな場所があるならこっちが知りたいよ」とおっしゃっていて、溢れ出た事なんかないよ、毎回、身を削りながら書いているよ、とその後は終止そんな話をしていました。


さて、俳優は決して自分で好き勝手な事を喋っているのではなく、事前に脚本を読んで覚えた作家によって書かれた言葉をその場で話しているわけですが、その言葉は、一体どこから出てくるべきなのか、という事をその通し稽古を見ながら考える事になりました。


決して自分の言葉で喋る事の出来ない俳優から「言葉が溢れる」というような事はきっとないのかもしれませんが、それでも、小説家の豊かな言葉がまるで何処かから溢れ出ているように見えてしまったから「言葉の溢れる場所」なんていうタイトルを付けられてしまうように、俳優たちの言葉もにそんな豊かさが現れてくれれば良いな、とそんな風に思ったのも、その通し稽古の中で、セリフを間違えたり飛ばしたり、各々に苦手なところがあるらしく、覚えて、思い出して、忘れて、と、まだ頭でセリフを追いかけている箇所が各々にあったように見えたから、という事でもあります。


頭で覚えた言葉が、これからの稽古の中で、どんな豊かな演劇の言葉になっていくのか、楽しみです。その成果は、アトリエ劇研の8月の本番にて、皆さんにもお目にかかって頂けたらと思います。チケットも発売中なので、皆さんのご予約、お待ちしております。

2014年7月4日金曜日

【2014/6/30】 6月最後の稽古

少なくとも、着々と衣装も小道具も決まり、台本も最後まで完成して、はたから見れば順調に進んでいるように見えるその稽古ですが、実際に声を出しながら演技をしている出演者にとってはまた別の思いがあるのかもしれません。


楽器であれば難しい楽譜を弾ける人、弾けない人、というわかりやすい境界線があるし、絵を描く事であれば実際に描いた絵が手元に残って、それを自分自身で比較をしながら客観的に判断が出来るのかもしれませんが、演技をするうえでは、台詞を読む、覚える、声に出すという日常的な事でとりあえず、俳優らしい身振りが出来てしまうものですから、楽器を弾くために必要な特殊な訓練や遠近法を使うための計算などの専門的な知識はとりあえず必要とされず、じゃあ難しい早口言葉や難読漢字が読めるんだぞ、フン、と言われても、それが俳優の技術というわけでもないでしょうし、演技をしている自分というのは、自分の目では見れない以上、どうしたって自分だけで解決できる幅は限られてしまいます。


それをどうやって乗り越えるのか、このクラスではとりあえず、怒涛の自主稽古、という選択をしているようです。自分たちの課題は何なのか、とか、こんな稽古が必要ではないか、とか、それぞれが自分たちでどうにかしようという雰囲気が現れてきているようです。


今日は照明の長井さんが稽古の見学に来てくれました。スタッフも含め着々と準備が進む日程の中で、自分たちに残された時間を有意義に使っていただけたらと思います。

2014年6月29日日曜日

【2014/6/28】 小道具紹介



俳優になりたいと思ったこともなくて、まして人前に出るのとか、なんかやだな、恥ずかしいし、とそんなふうに思っている人でも、観客席から演劇を見ることで演劇の楽しみや喜びを知ることは出来るのですし、例えば俳優という職業に少しでも近づこうとしてがむしゃらに目を見開いて演劇による自己実現の為に鑑賞するよりも、演劇が面白くて、とか、演劇を見ながら何か考えたいとかいうような、そんな楽しみや知的な好奇心のために劇場に通うことの方が、かえって純粋なのかもしれません。

演劇の楽しみは観客席にもあるし、演劇をやらなければ演劇のことはわからない、と言うのなら、劇場の観客席は俳優や演出家や劇作家たちがたむろするだけの、そんな閉じたものになってしまいますし、日本の劇場では少ないのであまり馴染みがなく、本で知ったことなので実際に見たわけではないけれど、ヨーロッパなんかの劇場には図書館やカフェが充実していて、むしろ街の中で開かれたものであるそうです。

それでも、演劇をやっていなければ、普段の生活では絶対に起こらないことが時々、演劇をやっていると起きるのだ、とあらためて思ったのが、 「ちょうどいいドラム缶を探す」 というミッションを出演者たちがクリアし、事務所の隅に置かれたその 「ちょうどいいドラム缶」 の存在感に驚いている時に、人は、演劇にかかわる事なく、人生の中でドラム缶を探すことがあるのだろうか、と考えたのでした。そもそも 「ちょうどいいドラム缶」 という言葉もよくわかりませんし、ちょうどいいか、よくないか、という事でドラム缶について考えたこともありません。ドラム缶、ドラム缶。



これからの生活の中で、あと何回、出演者たちはドラム缶について考えることがあるのだろうか、そんなことはわかりませんが、とにかく、これがその 「ちょうどいいドラム缶」 です。


これがどんなふうに使われるのかは、8月の本番に来ていただく事で、「ああ、探したかいがあったね、ドラム缶」 と思っていただけるかと思います。C.T.T.の試演会では登場しなかったドラム缶がどんなふうに使われるのか、みなさんでご確認ください。

2014年6月27日金曜日

【2014/06/26】衣装・小道具

衣装・小道具がそろい始めました。全員ではありませんが、衣装を着けて練習が始まっています。「衣装を着けると身体が変わる」といいます。「スーツを着ると背筋が伸びる」とサラリーマンが言うように、衣装が「その人の社会的な立場や置かれた状況」を象徴しているとも言えます。そうした「象徴的な」衣装を身につけることで、衣装が表す「立場や状況」が身体に落ちるのかもしれません。
今回の衣装がもつ状況に身体をあわせることは、非常に演劇的でおもしろいと思います。
そういえば、映画監督の黒澤明氏は役者に衣装をつけたまま生活させたという逸話があります。衣装を着て練習することで、身体が衣装に合ってくることを期待しています。

2014年6月21日土曜日

【2014/6/21】 全員そろっての稽古



そういえば、と、このクラスでは出演者たちが揃わない日々が多く 「また今日も欠席者が、」 とか 「今日は何人揃いましたが……」 というような記事が続いていた事を思い出したりして、それはここ数回の稽古に関しては、出演者たちが全員揃うことがごく普通になっていたから、もちろん、演劇をやっている以上そんなことは完全に当たり前なのことでなければいけない、けれど、この背泳ぎの亀のブログ記事を少し遡るとわかる通りそれは案外難しく、そこから、ある意味での演劇をするにあたって必要な 「ごく普通」 というそれのハードルの高さを感じたり、その普通のことが普通に馴染んできていることで出演者たちが少しずつ、俳優と呼ばれるべきそれに近づいているのかもしれないと、そんな理由でそんなことを思い出したりしたのです。


それでも自動車学校に行って教習を受けて試験に合格して、はい、免許書です、というように、具体的なIDカードがあるわけではないその 「俳優」 という職業について、例えば芸能事務所に入る事や劇団に所属することで、自己紹介として俳優ですとは言えるものの、客観的に見たときに、それが本当に俳優と呼べる人物と足りえているかは、特に現代演劇の世界では難しいことではあるのでしょう。


作品も終盤に差し掛かり、着々と進む 「最後のコント」 というその公演作品に関わりながら、自分は俳優である、というただの自己紹介ではなくて、少しずつ、俳優になる、という事について、それがアクターズラボを通じてなされるとは一体どんな過程なのかを、着々と俳優になっていく出演者の皆さんに教わりながら、その稽古も台本の終盤に差し掛かり、衣装を着ての稽古はどうやら非常に暑いらしく、それでなくても最近は暑い日が続いているので、8月の本番の前に体調を崩したりせぬよう (体調管理も俳優の仕事だ、と言いますし) 残りの1か月とわずかの時間を充実したものにして貰えたらと思います。


2014年6月15日日曜日

【2014/06/14】そろうと盛り上がる?

今日も全員そろっての稽古となりました。勢揃いが続いているせいか(盛り上がっているから全員そろうのか)良くわかりませんが、稽古場は盛り上がっている雰囲気がします。
今日もテクニカルディレクターの北方さんが来てくれました。

2014年6月13日金曜日

【2014/06/12】準備着々

今日も全員そろっての講座となりました。5月半ば以降皆勤が続きます。公演のチケットが完成してきて、配られました。公演に向けていよいよ準備が整ってきました。今日はテクニカルディレクターの北方さんも稽古場に来てくれて、公演に向けて準備が整って行く感じがします。
 台本は完成した部分の修正等があり、演出家からシーンの意図等が説明されます。話の流れでちょっと哲学的な「愛について」みたいな話になって興味深いものがありました。
演劇作品の背景には劇作家の考える「哲学」があるものなので、そうしたことについてメンバーで議論する機会があってもいいのかもしれません。

2014年6月8日日曜日

【2014/6/5】 いろいろ完成


 
8月の本番に向けた稽古、台本がついに完成し、チラシも出来上がりチケットもまもなく発売で、もちろん出演者も全員揃った稽古場では俳優たちの大きな声が飛び交っているのかと思えば、出演者は眉間にしわを寄せて下を向きながらボソボソと切れ切れの声を出していました。


それというのも講師のあごうさとしさんから出演者にむけられた様々な問いかけの中で 「希望とはいかなるものか」 という哲学者たちもこぞって違うことを言うような質問がなされてしまったために、あーでもないこーでもないと話す声は自信のない尻切れの声になっていきます。


結局、最後の30分はその話をして終わってしまい、答えの出ないままでその日は終わってしまったのですが、とある映画監督が芝居の演出をした時に言っていた 「演劇すごいです、全然完成しない」 という言葉を思い出したりもしました。


それでも、その結論の出ない問いかけや、完成しないことを映画監督に驚かせるほどの演劇のために、つまりわざわざ頭を抱えて悩んだり困ったり大きな声を出してぐったりするために出演者たちは稽古場に集まっていることが一番の驚きだったりするのですが、どうしてそんな大変なことをしているのかといえば、多分、演劇がしたい、というあっけらかんとした理由なのではないでしょうか。


演劇がしたいという一心で希望とは何かという難題にさえ立ち向かえる、考えるほどに訳がわからなくなっていく様々な問題にも、何が正しいか誰も分からないまま無償の饒舌が過ぎていくだけの話合いも、演劇のために立ち向かえる、ということは、あれ? みんな悩んでるけど、それって何より、希望というやつでは? と思ったのですが、出演者たちはそんな簡単で安易な答えより、すぐには解りあえない場所で四苦八苦して貰えたらと思います。


2014年6月3日火曜日

【2014/05/24】コミュニケーショントレーニング


 長年こうした公演を目指すワークショップに携わっていますが、長期、短期に関係なくあらゆるワークショップで何らかの「もめ事」が起こります。起こらなかったことは、おおかた無いと思います。深刻な場合は、メンバーが途中で辞めて出演できなくなるということなのですが、公演まで3ヶ月をきっているばあいに辞めるに至るのは非常に希で、何らかんだあってもたいがい公演をやり遂げることができます。そして、たいていの場合公演をやり遂げられたことで、多くのもめ事の原因は解消されます。
 演劇はグループで行う創作で、スタッフワークも練習も人と関わりながら行います。メンバーは公募で集めていますから、性格が合わない人も、価値観が違う人もいろいろです。そうした人たちと、「いついつまでに作品を作って発表しなさい」という約束のもとで作業をするのですから、発表が近づけば近づくほど、焦りや、不安から心の余裕を無くし、対人関係のトラブルは頻発するのも当然です。
 さて、こうした問題にどう取り組むかはこうしたワークショップを始めた頃からの課題でした。様々なトラブル場面に出会ってきましたが、一番いいのは、「可能な限りグループ内で解決する」というものです。(もちろん、財布が取られた、とか、病気とか、創作に関係ないトラブルはすぐに対処します)こうした演劇ワークショップの醍醐味は実はこうした「難しい人たちと、なんとか折り合いをつけながらやっていくこと」にあると感じています。相手にどう伝えるとわかってもらえるか、どうするともう少し稽古場の雰囲気が和らぐのか・・・。そうしたことを、メンバーが考え実践することが大事なのです。ところが、グループにはたいてい「空気が読めない人」も「わがままな人」も存在します。「色々な事情を抱えていて十分に働けない人や自主練習に来られない人」もいらっしゃいます。そうした人がグループにいなかったことも無いほどです。でも、それは社会の縮図とも言えます。グループで何かを行う時に、均等に仕事や責任、ストレスが分け合えるということは理想ですが、たぶん無いのではないでしょうか。きっと誰かが、極端な場合はごく少数の人が多くの負担を抱えているのです。公演が迫る中で、その不満やストレス、イライラが吹き出して、たいていはトラブルが起きます。「私ばかりに負担がきている」と感じている人や、「メンバーからのプレッシャーに耐えられない」「私だけ疎外されている」といった不満が私たちスタッフに寄せられる時期でもあります。
 この時期こそが、実はとても大切なところです。グループや参加した個人が成長できるかどうかの分かれ目かもしれません。まさに「コミュニケーション力」が試されるし、その力が向上するときなのです。自分を変えるチャンスかもしれません。もちろん行き過ぎたストレスや負担が誰かにいっていて、どうしようも無いと思える場合にはスタッフが入って解決を図りますが、過去に経験した大半のものは、乗り切れる範囲だったと思います。

「背泳ぎの亀」もちょうどそんな時期にさしかかろうとしています。
 荒れ狂うプレッシャーの川はなかなか手強いですが、背泳ぎでわたりきってもらいたいと願っています。

2014年5月10日土曜日

【2014/05/10】全員集合!!

試演会以来、全員がそろって稽古となりました。全員がそろうとやはり気持ちがいい。稽古にも熱が入ります。
 台本もあと10分程度を残すところまで完成し、本当に結末を待つばかりとなりました。

 さて、今日は稽古の前に主に制作関係のミーティングを行いました。お客さんをどう呼ぶか、宣伝をどうするかといったことが話しあわれました。現在チラシやホームページ等の宣伝媒体を担当者がせっせと作っていて、今日はそのチラシのデザイン案も示されました。なかなかいい感じに仕上がっています。
宣伝開始、チケット販売開始に向けて着々と準備が整いつつあります。今日も自主練習が行われ、ミーティングも熱を帯びてきました。
このチームはスケジュール管理が行き届いているので、着々と進んでいる印象です。次週は休みですが、再来週も皆そろって練習できるといいですね。
 

【2014/05/03 自主練&スタッフワーク】

後半部分の台本が今日も(残念ながら最後までではありませんでしたが)できてきました。しかし、今日もメンバーはそろわず・・・。残念ながら2名の欠席。
お芝居の台本は、どんどんクライマックスに向けて盛り上がってきています。結末が楽しみです。
 さて、劇研アクターズラボはスタッフワークもメンバーができるだけ担っていきます。打ち合せも活発化しています。ことに、自主練習に関しては、着々と稽古場を押さえ、できるだけ集って稽古をしています。演出家からは「渡したところはセリフを覚えて!」とハッパもかかりますから、そうした時間を活用しセリフを覚えたりするわけです。

日数は十分ありますが、稽古回数自体はそんなに多くはありません。そうした創作ペースへの意識もあって、すばらしいと思います!!

【2014/04/26】台本着々

無事C.T.T.での試演会が終わって、いよいよ公演に向けて試演会終了後最初の稽古・・・しかし、いきなり欠席多数で出ばなをくじかれた感じ。とはいえ、台本の後半部分(まだ途中)があがってきて、早速読み合わせをしました。皆が気になる芝居の結末に付いても作家から解説が・・・。乞うご期待。

2014年4月24日木曜日

【2014/0419,20】C.T.T.試演会終了

4月19日と20日に行われた、C.T.T.上演会に出演してきました。
劇場でお客さんを前に上演するのはこのチームにとって初めてのこととなります。「緊張して寝られなかった」というメンバーもいたように、初舞台となるメンバーにとっては緊張もひとしおだったようです。
 結果については、もちろん、いい意見も辛口の意見もありましたが、場数を踏むということにおいては、大変いい経験になったのではないでしょうか。

 いよいよ公演に向けて、準備が本格化します。今回の試演会を経て、スタッフの仕事や責任についてもだんだん自覚が高まってきているように見受けられます。
8月公演に向けて、宣伝の準備も始まりました。
公演を終えた興奮や緊張を保って、本公演に向けて頑張りましょう!!

2014年4月17日木曜日

【2014/4/16】 C.T.T直前の稽古場にて、



 例えばこのアクターズラボあごうさとしクラス 『背泳ぎの亀』 による 『最後のコント』 というタイトルの作品には大きめの壺が小道具として使われていて、演劇で壺といえばサミュエルベケットという大作家によって書かれた 『芝居』 というそのまんまのタイトルの作品のことを思い出したりもするし、そうすると彼の代名詞的な作品 『ゴドーを待ちながら』 のテーマは何か? とインタビュアーに聞かれたときには、共生だ、と答えていたというような逸話があったような気がして、手元にその資料がないので間違いでないことを祈るばかりではあるのですが、、、

 そもそも演劇と一言にしても様々な演劇があり、遡ればギリシャ悲劇においては演劇は広場のようなところで公演されていてそれは市民とはいかにして生きるのかということや人間にとっての生や善についての、、、ウンヌンカンヌン、、、そしてそれは演劇だけの問題ではなくて山口昌男という文化人類学者にとって演劇という祝祭的なものは秩序に対しての周縁であり、、、、あーだこーだ、、、、日本において演劇人はかつて河原乞食と呼ばれ、それは芝居という漢字を見ても分かりますが元々の役者たちは河原の 「芝」 に 「居」 たわけでして、エトセトラ、エトセトラ。


 出演者の方にブログを読みました頑張ろうって思いました、と昨日の帰りに声をかけてもらい、もちろんそれは嬉しいし同時にほんの少しのプレッシャーなんかを勝手に感じたりもするのですが、実はこのブログは出演者の方に読んでもらうためにと書いているわけではなくて、こういう活動が行われているということを、こんな公演があるという事を偶然でも何でもいいので少しでも色んな人に知ってもらえたらと、ブログを更新しています。


 じゃあ出演者の皆さんに対してや、この作品に対して何か無いのか? という話になりますが、例えば上の文章みたいに聞きかじったり読みかじったりした、講釈めいたことが書けないわけでもないけれど、そんな文章でブログを書き続けるよりも、昨晩の稽古の休憩中に事務所であごうさんが呟いた 「みんなうまくなったよね」 という一言の方がよっぽど出演者の自信になるでしょうし、やっぱり演劇は観るものですから、ここでしがない演劇についての言説や、演劇とはこういうものだ、なんて事を書くよりも 「日々の積み重ねだね」 というあごうさんの呟きを紹介して、出演者の彼らが積み重ねてきたものが何なのかを、皆さんに観に来て頂けたらと思います。

写真の残念なところは笑い声が聞こえないところですね。出来る事ならこの稽古場の空気も全部まとめてブログに書けたらとも思うのですが、それは非常に難しいので、本番で彼らのやる気を感じて頂けたらと思います。

4月の19、20がCTTの本番です。会場でお待ちしています。
http://cttkyoto.jugem.jp/












2014年4月12日土曜日

【2014/4/12】 C.T.T試演会まであと少し


 C.T.Tに向けた稽古が進んでいく最中、今日は欠席者無し、役者の9人全員があつまっての稽古でした。それぞれに忙しい合間を縫いながら、それでも出演者の皆さんは演出のあごうさん来る何時間も前から自主的な稽古のために朝早くからセリフ合わせや小道具の確認、徐々に皆が揃うと今回の上演作品 「最後のコント」 のセリフが聞こえてきます。

 このクラスでは怪我で少しお休みをしていた人がいたり、それでなくてもそれぞれに忙しい日々を過ごす出演者の皆さんが、それでも週に1回でも皆が同じ場所で、同じテキストを持って、同じ問題に皆が集まってどう解決したらいいかを身を寄せ合って話し合います。
演劇は人が集まらないとできません。そこにちゃんと人が来なければできないというのが演劇の非効率な、というか大変な事かもしれません。逆に言えば、人が集まれば、それぞれに全然違った生活をしている出演者の皆さんが一緒になって、例えばこんな風にテーブルを囲んで、難しい事を楽しい事を一緒に考える事が出来るのかもしれません。そしてそれは、出演者だけではなく、照明さんや音響さん、舞台監督、制作、広報などなど沢山の人が集まる事でもあって、演劇は、やっぱり人が集まる事で出来上がる者なのだと思います。

 そしてそれは、創る側の事だけではもちろんなくて、観客席でその芝居を見ながら、驚いたり悲しくなったり楽しんだりしてくれる観客の皆さんがいなければ、やっぱり演劇は出来上がらないのだと思います。

本番は4月の19、20日です。それに向けて『背泳ぎの亀』の出演者9名、演出のあごうさとしさん、さらに他の沢山の団体やスタッフが作品完成のために稽古や準備をしています。よろしければブログを読んでくれた皆さんにも是非とも観に来て頂いて、この作品の完成のお手伝いをしていただけたらと思います。


CTTまであと少し! 沢山のご来場、お待ちしています!

2014年4月5日土曜日

【2014/4/5】 何度も、何度も。


試演会に向けての稽古、あごうさんの来る一時間前から稽古場をおさえ、出演者の皆さんは自主的に稽古をしていました


今日の最初の稽古は、それぞれ俳優たちが別々の話題をいっぺんに喋るという、たった数分のシーンでしたが、その様々な声が飛び交う短い場面のために、今日は一時間半をかけて、何度も何度も、その数分のシーンを繰り返し稽古をしていました。
 
 
少しシーンが進むと演出のあごうさんの方から指示がされ、また仕切りなおして始まると、今度は出演者の中から新しい提案が挙がり、という風に、ただ同じことを繰り返しているだけではなくて、それは同じひとつのシーンではあるのだけれど、出演者の皆さんとあごうさんによって何度も何度も新しく変わっていきます。
 
 
 
この作品は通して上演しても30分以内で終わってしまう短い作品で、さらにその30分ほど作品の中の、ほんの数分のために、出演者の皆さんと演出のあごうさんは何度も話し合い、何度も同じことを繰り返して、より良い作品のために今日も居残りしながら頑張っています。

試演会までもう間もなくです、是非お越しいただけたらとおもいます。

 

2014年3月30日日曜日

【2014/03/29】4月の試演会に向けて

怪我で稽古を離れていたメンバーが、およそ1月ぶりに復帰。やっと全員そろうか・・・と思われるも、一人欠席でまたしてもそろわず。・・・ここは、次回に期待。
 4月の試演会まで1月をきり、上演の準備も本格化してきました。練習はもちろん、だんだんセリフが覚えられてきて、台本が離れつつあります。「会議」を舞台にした芝居ですので、基本会話劇ですが、コミカルなやりとりに見ていて思わず笑いが漏れます。演出家の指示で、細かい芝居が変化していき、みるみるキャラクター立っていくのは見事です。また、スタッフ関係の役割を担ったメンバーそれぞれの仕事も動きだしてきて、いよいよエンジンがかかってきた感じがします。

2014年3月24日月曜日

【2014/03/22】現場での創作


CTTに向けて、追加台本が届きました。
お休みの方の代役をあごうさん自らがおこなって最初から最後までの読み合わせです。
作品自体にも力がありますし、それを実際に声にしてみるとなんとも言えない可笑しさがあって、読み合わせをしながら、笑いが起こっていました。
まずは演じ手自身が作品に愛着を持てることがとても大事なことです。
これがあるかないかで、創作現場から生まれてくるものが
大きくちがってくるのですから。

作品の中で少し複雑な仕掛けを入れているところを、実際に動いてみて検証しました。
書いている段階ではわからなかったところが見えてくるので、脚本に修正も入ります。
これこそ現場での創作の神髄でしょう。
実際の演じ手の声や雰囲気を手がかりにして、あごうさんの新たなひらめきでセリフが変わっていきます。

CTTのチラシも皆さんに届きました。
稽古後にはみんなで宣伝方法を考えたり
衣装をどうするかを話し合います。
試演会。
とはいえ、面白い作品になるのではないでしょうか。

2014年3月21日金曜日

【2014/03/15】試演会に向けて

来る4月19日、20日にC.T.T.という上演会に出演します。8月の公演に向けて、途中の成果を観客の前で発表するのがねらいです。場数を踏んで完成度を上げようということです。試演会の詳細はC.T.Tのブログでご確認下さい。参加メンバーがなかなか確定せず、やきもきしましたが、やっと概ねメンバーが固まり台本も急ピッチで仕上がっています。
 メンバーのモチベーションも高く、きっといい作品になると思います!
 
試演会にもぜひお越し頂いて、ご意見お聞かせ下さい。
(写真は芝居のワンシーン)

2014年3月6日木曜日

【2014/03/05】台本の続き

前回に引き続き台本が少しあがってきました。新たにできた所を中心に、台本読みが行われました。
 今日の練習は、「声」に重きが置かれていました。それらしくセリフを語るより「はっきり語る」ことを課題に、本読みが繰り返されました。稽古の最後には演出から一人一人に声に関するアドバイスが出されました。それぞれが自分の課題を知って「しっかりした声を鍛えてつくりましょう。」ということだと思います。練習する目標がはっきりするのはいいことです。もちろん、すぐには変わらないのですが、夏までに変化が見られることを期待したいと思います。

2014年2月28日金曜日

【2014/2/26】台本

台本の冒頭の部分ができあがってきました。早速、皆で声に出して「本読み」をしました。作品の構想はあごうさんの頭の中で、いろいろめぐりめぐってこの形に落ちついたものだけあって、今までの練習で試したことや、メンバーのキャラクター等がいかされたものとなっています。ただ、全員がほぼ出ずっぱりの(ずっと出演している)作品のため、部分練習ができない!つまり全員そろわないと練習ができない!?というある意味ハードルの高い条件がついています。(台本はまだ冒頭なので、これからどうなるかはわかりませんが)
 いずれにしても、やるべきことがわかってくれば自ずと気分も盛り上がります。ここからどのようなアンサンブルが生まれてくるのか、期待が膨らみます。
 

2014年2月27日木曜日

【2014/2/22】チーム名決定!

いよいよ公演モードに突入するということで、稽古前に集合してこのチームの名前や、メンバーそれぞれのスタッフやチーム運営上の役割を決めました。
他の公演クラスでもこうして、チーム名等を決めていますが、これはこの講座の特徴です。「期間限定劇団」のように、自分達でできることはなるたけ自分達で行っていく(意思決定も含めて)することで、作品を「自分たちのもの」にするだけでなく、講座終了後例えば劇団に所属したり、自分達で劇団を立ち上げたりした場合にも、すぐに役立てることがでくるというわけです。
いくつかの候補の中から、投票でチーム名が決まりました。『背泳ぎの亀』です。
「頑張っている感じがする」のが提案者のコメントでした。
 併せて、作品を作るにあたって必要な役割を決めました。こちらも希望を元に、各人が一つは役割を担当することになりました。今日からはこうした裏方の仕事の進捗や、問題点等も自分達で共有し解決しながら進めていくことになります。女性陣を中心に、とてもしっかりしたメンバーがそろっていますので、いいチームワークが期待できそうです。

2014年2月24日月曜日

【2014/02/15】


次回公演に向けて作品の始まりの脚本が届きました。
まずはペアにわかれて読み合わせから開始。
何度か繰り返し練習した後、脚本の設定をあごうさんから説明があり
とりあえず、一組が向かい合って皆の前で読み稽古を。
読み合わせを踏まえてあごうさんから動きの指定がいくつか。
その他動けるところは動いてみての立ち稽古。
さらに続くペアに演出的な提案が加わります。
個人ではなく集団として段階的に稽古を進めていく。

あごうクラスの参加者さんの意識は高く、
稽古の前と後に自主的に1〜2時間場所をとって自主練習をしています。
集団として一体となって創作していこうという意識が
このような稽古方法から培われているのかもしれません。

全てのペアが終わった後に全体に向けてのアドバイス。
役柄のテンションが上がった時にこそ、
台詞が乱れてしまうので言葉をはっきり言う。
言ってしまえば役柄よりも言葉をはっきり言うことに注意を。

その後、前回稽古の設定を踏まえつつ新たな要素も加え
続きのシーンがどんなものにするかを聞いてエチュードで演じていきます。
関係性とある程度の道筋を共有しているので
どっしりとエチュードを進めていく皆さんに驚きました。
軸があるので、自由な発想ではずれた時の
何が無い台詞のやり取りがとても笑えました。
エチュードの中であごうさんからも新たな設定や提案が加わっていきます。
脚本家だけでなく全体として作品を作り上げていくムードが広がっています。

最後に舞台構造や作品構造の話し合いが。
かなり実験的で挑戦的なアイデアが出ていますが。
果たして実現するのでしょうか。
今後の創作が楽しみです。

2014年2月12日水曜日

【2014/02/08】上演作品概要

いよいよ8月の上演に向けての準備が始まりました。台本は徐々にできてくると思われますが、今日はどのような作品になるか、あごうさんから概要が説明されました。詳細は追ってレポートしますが、個と集団をテーマに人のつながりとは何かを鋭く問う作品になりそうです。(真面目なだけでなく、たぶんユーモア<皮肉>も含んだ作品になるのではないでしょうか/*あくまで予想ですが)
 さて、今日はその作品の舞台設定を基にしたエチュードを行いました。特殊な状況で人がどのようにコミュニティーを作り、そしてそこに加わろうとする人にどのような対応をするのかを即興で演じることになりました。前回からレポートしている通り、こうした練習ではなかなか面白いエチュードが展開されていて、今回も秀逸な応酬が見られました。登場人物のキャラクター設定の参考にもなったのではないでしょうか。自主練習の予定も決まり、再来週のクラスではいよいよチーム名やチーム内での役割も決まりそうです(ここにはメンバー全員参加!です)、徐々に公演に向けて準備も加速することでしょう。

2014年2月5日水曜日

【2014/02/01】エチュードが上手い。

今日は欠席も少なく盛り上がった会になりました。前回からエチュードと呼ばれる即興で演じる練習を行っています。経験の浅い方にとっては、即興で演じるのは「セリフ」というよりどころがなくて、どうしたらいいか戸惑ってしまってつい「おもしろいことを言う」ことに気がいってしまったり、「なにかしなければ」と焦って共演者のアクションやことばをしっかり受け止められなかったりするものです。
 即興は自分が何かするよりも、相手のことばや仕草を受けて、それにどう返すかが大事になります。ですから、「出す」よりも「受け止める」が重要なわけです。今回もやはり「出す」に意識を取られる方もいましたが、「受け止める」意識がしっかりできている方が何人かいて、シーンが比較的うまく回ったことに感心しました。
理想的にはもちろん全員がそうした意識を共有して、もっとスムーズに、もっと創造的にシーンが成り立つことなのですが、「上手い」方の影響を受けてきっと割と早くみなさんそうした意識が持てるような気がしました。

2014年1月23日木曜日

【2014/01/22】エチュード

前回ミニ発表会を終えて、今日からは次の段階の稽古になりました。今日はその最初として、一人で話をする(スピーチする)ことと、エチュード(即興で演じる練習)をしました。
 発表することにも慣れて来たせいか、スピーチもエチュードもあまり堅くならず、とても自然な状態でできていました。特にエチュードは始めて行ったとは思えないやり取りが見られ、「上手くいかなかったら途中で止める」と始めたにも関わらず、20分近くシーンが続き、飽きずに見ることができました。話しの展開や、相手のアクションを受けて、芝居を進めるといった基本的な事が概ねできていたことは、今後の作品作りにもきっと役立つのではないでしょうか。

2014年1月22日水曜日

お客さんを招いての、緊張の上演会。

 今回は2人芝居の成果発表会を行ないました。
短編戯曲に2ヶ月間向き合い、自主練も取り入れながらそれぞれのペアの作品を披露しました。

まずはいつもより早く集合。そしてすぐに稽古に移ります。1、2回実施し、あごうさんからの指導を受けた後、ゲネを実施していきました。

14時すぎから本番へ。今回は数名ですが、お客さんを招いての上演となりました。そのためかやはり緊張感が生まれ、舞台の醍醐味に触れるいい機会となりました。しかしみな、何が起こっても動じず、稽古以上の成果を出したペアもあった程です。


上演終了後、メンバーで面と向かって振り返りをしました。同じ作品なのに印象が全く異なっていて、それぞれの実感とともに、他の作品も含めて感想を述べ合いました。
次は4月頃にさらに大きい舞台で演じることになりそうです。


1/18 沢

2014年1月17日金曜日

【2014/01/15】1月18日に練習成果のミニ発表会します!

今日は年明け最初の練習です。
18日に予定されている、成果発表会に向けての練習が続きます。今日は衣装や小道具も実際に使うものを持ちよっての練習となりました。
自主練習を熱心にしていて、完成度を上げている人はなかなかいい仕上がりになっています。「遅れてる」と感じている人もいるかもしれませんが、あと数日ありますから、頑張ってもらいたいものです。まだ本番ではなく練習ですから、すこしでもいいものを目指すことで、きっと成長できると思います。「難しい」と思う所もあるかもしれませんが、ぜひ、「演技の奥深さ」と向き合ってもらいたいものです。
 18日は14時半発表会スタートになりました。出演するメンバーは直前
まで練習して発表に臨みます。どなたでも発表を見て頂けますので、興味ある方ぜひお越しください。予約不要で、もちろん無料です。
会場は左京西部いきいき市民活動センターです。

2014年1月7日火曜日

【2013/12/28】稽古は続く。

新年あけまして、おめでとうございます。
本年も劇研アクターズラボをよろしくお願い申し上げます。

さて、新年のあいさつをしたばかりですが、昨年最後の練習レポートです。
1月に行われる、成果発表会目指して練習が続きます。今日は練習時間を延長して熱のこもった練習となりました。(終了後には忘年会もありました)
やっとほぼセリフが入り、シーンの最後まで練習が進みました。各チーム特色がでていて、チームなりの面白さがでてきました。相手が変わればとうぜん演技は変化しますから、各ペアがそれぞれの味を出しているのは理想的だと言えます。
笑いも徐々に取れるようになってきました。
1月18日の発表会が楽しみです。
(写真は練習中の発表の様子)