2014年7月18日金曜日

【2014/7/17】あいだ


今日の稽古は中盤~後半にかけての3ページくらいのシーンを念入りに繰り返すような稽古でした。


その中で印象的だったのは、とある出演者の一人が、たった一言のセリフを繰り返しやり直しながら、やがて何が正しいのかわからなくなっていくように、ぶつぶつと一言を繰り返しつぶやいていたことです。


もちろん演出のあごうさとしさんから指導が加わり、そこからどうしたら良いのかを考えながら台詞を声にしているのですが、どこかしっくりこない顔で、なんども台詞を繰り返しています。


不思議なのが、その正解が一体どこにあるのかということで、例えばあごうさとしさんの中にある答えを完璧にこなせるのだとしても、それではその演技をするのがその俳優である必要が何なのか分かりませんし、かといって自分にとってはこれがサイコー!というように人の意見を聞かずにやるのであれば、共同作業としての演劇である必要もありません。そういった意味で、その一言の正解は、演出の眼と舞台上に立っている役者との間で見つけられるのを待っているのではないかと思います。


あいだ、という漢字はつまり間で、それは別の読み方では、マ、と言ったりしますし、よくあるダメ出しで、間が悪い、とか言ったりしますが、それはきっと、観客席と舞台上とのあいだに必要な言葉や出来事をつかみ損ねている時に使われる言葉なのでしょう。残りの稽古の中で、その悩ましいひとことを含めた、マ、あるいは、あいだ、の距離やタイミングが見つかってくれればと思います。

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