2014年7月10日木曜日

【2014/7/7】通し稽古

通し稽古とは、つまり全編通す事です。わかりやすいネーミングだと思います。


「言葉の溢れる場所」というタイトルのついたシンポジウムに参加していたとある小説家同士がふたり揃って「そんな場所があるならこっちが知りたいよ」とおっしゃっていて、溢れ出た事なんかないよ、毎回、身を削りながら書いているよ、とその後は終止そんな話をしていました。


さて、俳優は決して自分で好き勝手な事を喋っているのではなく、事前に脚本を読んで覚えた作家によって書かれた言葉をその場で話しているわけですが、その言葉は、一体どこから出てくるべきなのか、という事をその通し稽古を見ながら考える事になりました。


決して自分の言葉で喋る事の出来ない俳優から「言葉が溢れる」というような事はきっとないのかもしれませんが、それでも、小説家の豊かな言葉がまるで何処かから溢れ出ているように見えてしまったから「言葉の溢れる場所」なんていうタイトルを付けられてしまうように、俳優たちの言葉もにそんな豊かさが現れてくれれば良いな、とそんな風に思ったのも、その通し稽古の中で、セリフを間違えたり飛ばしたり、各々に苦手なところがあるらしく、覚えて、思い出して、忘れて、と、まだ頭でセリフを追いかけている箇所が各々にあったように見えたから、という事でもあります。


頭で覚えた言葉が、これからの稽古の中で、どんな豊かな演劇の言葉になっていくのか、楽しみです。その成果は、アトリエ劇研の8月の本番にて、皆さんにもお目にかかって頂けたらと思います。チケットも発売中なので、皆さんのご予約、お待ちしております。

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